片流れ屋根の小屋に取り付ける木製ドア(扉)を作ります。ドアのフレームには2×6材、ドア上部にアクリル板をはめて大きな窓に、ドア下部は杉の羽目板を入れます。
また、「蝶番」を取り付ける際のポイントや「レバーハンドル錠(ドアノブ)」の穴加工のやり方などをお届けします。少しでも参考になれば嬉しいです。
・木製ドアの構成
・木製ドアの製作・作り方
・木製ドアの設置
・木製ドアに小庇を取付
完全独学・素人施工の様子をお届けしますので、良い子はマネしないでね!
※基本的に素人施工なので技術的に保障されるものではありません。参考とされる場合、くれぐれも自己責任で施工して楽しんで下さい。
【DIY】木製ドアの構成(アクリル板・ツーバイ材)
製作した木製ドアは2×6材をメインフレームとし、アクリル窓を大きくとった形にしました。
ドア枠の材料は、窓枠と同じ杉板を使いました。
カラーは、いつものキシラデコール・ピニーです。
木製ドアの製作・作り方
ドア枠【杉板】の加工
ドア枠の材料は、杉板24×150×2,000mmを使っています。
側板の下部は40mm下へ土台に掛かるように、外側へ40mm出るよう(外壁面に合わせる)に加工します。
ドア本体もドア枠と同じように土台に掛かるような大きさとなり、「外開きドア」となります。
よって、ドア枠は上・左右側面のコの字です。
【外開きドアのメリット】
(1)外開きにより小屋内の有効スペースが広くなる
(2)扉に降りかかった雨水が屋外側に垂れる(土台の外側にドアを設置するため物理的に小屋内へ入らない)
風を受けてドアが閉まる方向にする。これが逆だとドアを開けたときに風を受けて、いきなり開いて危ないし、ドアが破損する恐れもあるからね!
ドア枠の収まりは「縦勝ち」で加工します。(写真は仮付け)
このドア枠の上には小庇を取り付ける計画です。
小屋内から見た様子です。
ドア枠の蝶番取付部の加工は、ドア本体の製作が完成した後にドア枠に取付けた蝶番と突き合わせて位置を出してから施工します。
ドアフレーム【2×6材】の加工
材の寸法を正確に合わせるために、フレーム上下・左右の対(つい)ごとに2本をクランプなどでまとめて「けがき」と「切断加工」をします。
こちらは杉の羽目板を入れるための溝加工です。
ノコ刃を調節した丸ノコを何回か走らせてから、ノミで溝を彫ります。
ある程度、仕上がった状態です。この後、サンドペーパー等で整えます。
レーバーハンドル錠【2×6材】ラッチ穴の加工方法
耐久性はよく分かりませんが、ホームセンターではこのデザイン・価格のものはないですね。
室内、屋外リビングルームとキッチンに適用と記載されてるので、まあ使えるかなって感じです。素人施工ですので悪しからず、材料選定・取り付け方法等は自己責任でお願いします。
フェイスプレートも円形・平方(四角)がありますし、カラーも金・銀・黒・赤胴から選べるので、雰囲気に合わせることが可能です。
レバーハンドル錠の加工寸法を2×6材にけがきます。
・ドアの厚み38mm(ツーバイ材の板厚)
・フロントプレート26mm×58mm
・バックセット60mm(ドアの端からドアノブの中心までの長さ)
けがき作業には、シンワ3兄弟が活躍してます!
まずは、レバーハンドル錠の本体取付穴Φ60を開けます。
道具は【電動ドリルドライバー】と【スターエム自在錐№36】(じざいきり)を使いました。
【スターエム自在錐№36】
■穴あけ可能範囲
・穴径:30mm~120mmまで(希望する穴径が自由自在!)
・可能深さ:片側25mm・両側50mm
※120mm以上の穴あけにはロングバー(200mm・300mm用、別途販売)があり
■適用材:一般木材、石膏ボード
■軸径:10mm三本溝
■材質:本体(普通鋼)・センタードリル(普通鋼)・替刃(ハイス材)
■適用機種:電気ドリル・ドリルドライバ18V以上ハンドル付
■適正回転数:1,500回転/分以下
25mm以上の厚板をあける場合は、センタードリルの先端が裏側へ出たあと引き抜き、裏側より貫通穴に沿わせて切り込みます。
ツーバイ材の板厚は38mmなので、上記方法で表側と裏側から切り込ませて貫通させました。
※穴が貫通したときに安定した作業ができるように、加工材の下に添板を置きましょう!
次にラッチの取付穴Φ25を開けます。
本来は25mmの錐(キリ)で穴を開けますが、手持ちの太い錐が24mmしかなかったので、これで開けます。
スターエム木工用のインパクトビットは、キレイな穴が開けれるのでお気に入りです!
やはり1ミリ径が小さいので、残念ですがラッチが入りません。
穴の上下(干渉部分)を棒ヤスリで削って入るようにします。
ラッチのフロントプレートが収まる部分は、けがいた枠線に沿ってカッターで切込みを入れてからトリマーで削ります。
ノミで削っても良いのですが、しっかり均一な深さを確保したい方はトリマーを使うと安定した作業ができます。
きれいにラッチ(フロントプレート)が納まりました!!
蝶番(丁番・ヒンジ)取付部の加工
ベスト ステンレス角蝶番 89ミリを3枚使います。(縦89mm×横60mm×板厚1.5mm)
一般的に平蝶番と呼ばれるタイプのもので、屋外使用のためステンレス製です。
1セット2枚で販売されているので4枚使っても良かったのですが、目安で「扉高1000~1700mmの扉に2~3枚」と記載あり、なるべく上下に離して取付した方が、耐荷重や扉の垂れに対して有利とのことでしたので、バランスみて扉の上・中・下に3枚取付としました。
また、木製ドアでは、扉の反りが発生することを考えると、反り防止として蝶番を3個以上取り付ける方が強度を保ちやすいようです。
蝶番の取付位置3箇所にカッターで切れ込みを入れた後、トリマー(深さ1.5mm)で削ります。
ピッタリとはまりました!!
この蝶番の羽根プレートが深さ1.5mmの溝枠にしっかり納まることで、ビスで蝶番がドア側にしっかり固定されグラつきにくく、ズレにくくなるので、加工の手間はかかりますが是非やっておきたい作業ですね。
もちろんドア側だけでなく相手側のドア枠も同様のことが言えます。
ドアパーツを組み立ててすぐに蝶番を取り付けれるように蝶番の取り付けビスの下穴を開けて下準備しておきます。
ここで重要なのが正確な位置にビスの下穴を開けることです。
もちろん使うツールは滑り出し窓・ホイトコ金物の取付でも重宝した「センター一発」。
金具の取付け穴の中心に1発で穴あけができ、インパクトドライバのビットに片手で簡単に脱着できるので、使い勝手も抜群です!!
ダボ継ぎ ダボ穴加工
ドアフレームはダボ継ぎで組みます。
ダボ穴の位置を決める治具「ダボマーカー」を使ってマークした箇所に穴を開けます。
垂直に穴あけするためのSK11 SGK-6ドリルガイドキットとダボマーカーのセットでダボ継ぎしましたが、もうちょっと楽に使える「ダボ穴あけ治具」が欲しいこのごろです。
杉羽目板・アクリル板の加工
ドアの下部にはめ込む杉羽目板は、無垢フローリング材の端材を利用しました。
厚さ12mm、4枚の継ぎ目がバランスよく並ぶようにサイズを調整しています。
ドアの窓に使うアクリル板は、「アクリEX001(3mm厚)」を加工します。
丸ノコでキレイにカットできました。【丸ノコでアクリル板をカットするポイント】
ドアパーツ塗装 キシラデコール・ピニー
各パーツの加工ができたので、キシラデコールのピニーを2度塗りします。
木製ドアの組立
塗装が乾燥したら各パーツを仮組みして最終チェック。
杉の羽目板を入れ、接合箇所には耐水性を備えた『タイトボンド3』をたっぷり塗布してクランプでホールドします。
各パーツがフラットに接着できるように重しをのせ、乾燥させます。
1週間ほど乾燥させたあとにクランプを外すと・・・
「バキッ!!」
ツーバイ材の歪で接着部が割れて、すき間が・・・
そこで、窓づくりで防水処理をしたときと同じ要領で、できたスキマにマスキングテープで養生してから「シールプライマー」を塗り、「変成シリコーンシーラント」をコーキングガンで塗り込みました。
白色の変成シリコーンシーラントの上から木部と同色でペイントして仕上げます。
アクリル板・蝶番の取付
次にドアの窓にアクリル板を取り付けます。
アクリル板の取付手順は、ドア内面からカットしておいたアクリル板をはめて、四周を押し縁を取り付け、アクリル板を押さえます。
【押し縁(おしぶち)】・【押さえ縁(おさえぶち)】とは
材料と材料を取付ける場合に、外れないように押える細長いもののこと。 額縁のように四周押さえる場合もあるが、基本的には飾りではなく押さえる目的で付けられている。
アクリル板を受けにのせる前にパッキン替わりとして、受けにコーキングを打ちます。
コーキング剤が乾燥する前にアクリル板をのせて、アクリル板と受けを密着させた状態で押し縁(ひのき工作材9×9mm)を取り付けます。
押し縁の固定には、隠し釘を使います。
ドア窓の外側目地は、防水のためコーキング処理をしておきます。
蝶番(丁番・ヒンジ)を取り付けて、ようやくドアを設置できる状態となりました。
ここで、製作した木製ドアとドア枠を突き合わせて、ドア枠に蝶番の位置をマークしてから、ドア枠の蝶番取付部を加工します。
加工方法は、ドアと同じ要領となります。
木製ドアの設置
ドア枠の取付
外壁下地の透湿防水シートをめくり上げて、ドア枠を取り付けます。
クランプで仮固定しながら、位置が決まったらビズ止めします。
枠と開口部のすき間に「シールプライマー」を塗ってから「変成シリコーンシーラント」を充填します。
透湿防水シートを戻して、防水テープをまわりに貼ります。
防水テープは雨水が垂れ流れるように「両サイド⇒上部」の順にはり、端部は重ねてはり合わせます。
ドアの取付
ひとり作業は、ここからが大変でした。
ドアの位置(高さ)を合わせた状態をキープするために、仮置きする土台を何度も調整してつくりました。
蝶番の位置を合わせて、「センター一発」で下穴をあけて、ビスで留める。
これを上中下、手早く作業します。
この日の天候は風が無かったことで、ひとりでもスムーズに作業ができてラッキーでしたね!
diy小屋づくり、木製ドアの取付け方法
風が吹くなかでひとり作業をする場合は、この作業に限らず、無理に作業せず見送る判断をすることも必要かと感じます。
風でドアが倒れてドア本体や蝶番の取付部がダメージを受ける可能性がありますし、怪我に繋がる可能性もありますので、十分注意しましょう。(自戒を込めて)
ドアノブを取付て完成と思いきや大失敗した話
レバーハンドルを取り付けて、「できたー!!」と思いきや・・・
拡大するとドアとドア枠のすき間が広すぎて、ラッチがドア枠にかろうじて触れる状態です。
設計では、ドア左側チリ(すき間)5mmでしたが、素人施工による各寸法の誤差が重なり、結果的にすき間が大きくなったと思われます。
大変ショックで残念ですが、結果を受け入れて進むしかありません。
ドア左側チリ(すき間)を10mm⇒4mm程度にするために、ストックしてあったシナ合板6mm厚の端材を使うことに。
たっぷりキシラデコールを2度塗りしたシナ合板を、タイトボンドで接着させました。
これでレバーハンドルのラッチがしっかり掛かるようになりました!!
ドアが閉じたときにラッチが納まる「ストライクBOX」を取り付けるための加工をします。
マークした箇所をトリマーやノミで彫ります。
これでやっとレバーハンドル錠の鍵をかけることができるようになりました。
本来、戸当たりを取り付けてすき間を塞ぎますが、内装に合わせて決めたいので、ひとまず端材の角材をピンタッカーで留めた状態にしておきます。
木製ドアに小庇を取付
滑り出し窓と同様に、ひのきの小庇をドアにも取り付けます。
角を切り欠いているのは、通気層を確保するためです。
小庇の固定には、L字型ステーを使用しました。
ひとまずこれにて「木製ドア作り」は一区切り、完成とします。
まだドア内の戸当たりは仮設ですが、内装作業に合わせて本設したいと思います。
使用した材料、工具類
使用した材料
・杉板(ドア枠)24×150×2,000mm
・2×6材(ドアフレーム)
・杉羽目板(ドア部材)無垢フローリング端材
・ひのき工作材(押縁)9×9mm角材
・アクリル板(ドア窓)「アクリEX001(3㎜厚)」
・レバーハンドル錠
・ステンレス蝶番 縦89mm×横60mm×板厚1.5mm
・フランクリン タイトボンド3 450ml 耐水性木工用ボンド
・木部保護塗料キシラデコール「ピニー」
・シールプライマー
・変成シリコーンシーラント
・防水テープ
使用した工具類
・自在錐№36 スターM
・木工用インパクトビット ショート25mm
・センター一発 スターM
・L型クランプ 900mm
・トリマー
・ヤスリ
・タッカー
・長谷川工業 脚部伸縮式はしご兼用脚立
・ドライバドリル
・インパクトドライバ
・充電式丸ノコ
片流れ屋根の小屋に取り付ける木製ドア(扉)を製作する工程をおとどけしました。
何かと手間はかかりますが、素人施工でも何とかカタチなるもんですね!!満足度が大きいので是非チャレンジしてみてください。
次回は、外壁「杉板の鎧張り(下見張り)」を安価な野地板を使ってつくります。野地板は乾燥材ではないので、ホームセンターで購入してから暫く乾燥させてから施工しました。大量購入した野地板の外壁施工の様子をお届けします。
少しずつ・のんびり小屋づくりをすすめてます。応援してもらえると励みになります。
※基本的に素人施工なので技術的に保障されるものではありません。参考とされる場合、くれぐれも自己責任で施工して楽しんで下さい。