片流れ屋根:工程その3「屋根下地野地板・アスファルトルーフィング・オンデュリン材(屋根材)」の取り付けをお届けします。
屋根下地の野地板は12mm構造用合板。その上には下葺き材としてアスファルトルーフィングを使いました。下葺き材だけでも防水できるようにしておくと安心・・・と言いながら失敗あり!!半面教師となれば幸いです。
また、オンデュリン材を簡単にカットするポイント(方法)や取り付け方を解説していきます。
ようやく屋根の最終工程。
小屋づくりも屋根材まで張ってしまえば、雨対策のブルーシートを作業前後に剥がしたり掛けたりする必要もなく、あとは雨を気にすることもなく安心して作業ができるようになります!!
・屋根の構成
・片流れ屋根 屋根下地野地板(合板)を張る
・水切り金物の取り付け
・アスファルトルーフィングを張る
・桟木の取り付け
・オンデュリン材の取り付け(オンデュリン材・切断方法)
・使用した材料、工具類
完全独学・素人施工の様子をお届けしますので、良い子はマネしないでね!
※基本的に素人施工なので技術的に保障されるものではありません。参考とされる場合、くれぐれも自己責任で施工して楽しんで下さい。
小屋の屋根材をオンデュリン材にした理由
・ホームセンターで手軽に入手できる!
・取り扱いや施工が簡単!
・耐久性に優れ、メンテナンスフリー
オンデュリン材とは
・オンデュリンシートはアスファルト系の波形屋根材
・耐久性は50年を超える維持実績あり(世界100ヶ国以上使われている)
・シートは弾力性あり、施工・取り扱いが簡単で特別な工具もテクニックも必要なし
・アスベストを含みません、健康面でも安心
・耐腐蝕性に優れ、腐食やコケにも強い
・変色・色あせの心配なし
・実質メンテナンスフリー
引用:オンデュリン施工ガイド
オンデュリン材を施工して感じたデメリット
【デメリット】
・クラシックシート1枚が重い
・独特の臭いがある(施工中のみ気になる)
・簡単にカットできない(ポイントがわかれば簡単)
デメリット以上にメリットがとても大きいので、初めての方でも取り扱いしやすいと感じます!!
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片流れ屋根 屋根材の部材構成と手順
構成部材(棟・軒先)
屋根の構成部材は、上記の図のとおり。
振り返ると失敗したと思えるところもあって、反面教師として参考にしていただければ幸いです。
屋根材の取り付け手順
【屋根材の取り付け手順】
(1)野地板…屋根下地(構造用合板12㎜厚)
(2)軒先水切り金物…
(3)アスファルトルーフィング…下葺き材・屋根防水
(4)桟木(さんぎ)…胴縁40×16㎜
※桟木高さ35㎜以上の材をおすすめ!!失敗談あり!!
(5)オンデュリン クラシックシート…2,000×950㎜
・楽にきれいに切断する方法
(6)オンデュリン 棟カバー…1,000×420㎜
屋根材の取り付け手順は、「下の部材から順に重ねる」を基本とします。
※「アスファルトルーフィング」は軒先側から張る、「オンデュリン材」は風下の軒先側から張るなど部材の中にも順番があるので注意しましょう。詳細は後述します。
屋根の下地材を取り付ける
野地板(合板)を張る
野地板には、壁面の下地材と同じタイミングでまとめ買いしておいた「構造用合板12㎜厚」×10枚を使いました。(床面積6畳の小屋に屋根庇を方々に455mm伸ばすと屋根面積10畳)
野地板の配列は、目地が互い違いとなるようにします。
なので、事前に合板2枚をカットして半分サイズを4枚準備しておきます。
1枚目の野地板を張るまえに、端材をクランプで固定したストッパーを3箇所つくります。
ストッパーがあることで、屋根の角に野地板を置いてもズレることなく角に合わせることができます。
同様に、軒先側の1列はストッパーを設置してから野地板を張ります。2列目からは1列目の野地板がストッパーとなるので、そこに合わせて固定していきます。
野地板の固定には、コーススレッド51mmを使いました。
コーススレッドを数か所打って次の野地板を張り、すべての野地板を配置して固定してから、一気にまとめて打ち込みました。
野地板(合板)を敷くと、垂木の位置が見えなくなるので、「墨つぼ」で墨線を引いて位置を出します。
そうすることで、確実に垂木を狙ってにコーススレッドを打ち込むことができるので、作業が捗りますよ。
野地板(合板)にコーススレッドを打ち込む間隔などは、基本的に壁と同じにしました。
合板10枚なので結構な本数を打ち込みましたね!
マキタのインパクトドライバーが大活躍!!
屋根下地の野地板の取り付け完了。
水切り金物の取り付け
アスファルトルーフィングを敷く前に、軒先に「水切り金物」を取り付けることにしました。
小屋なので無くても良かったんですが、取り付けることにした理由は以下のとおり。
・水切り金物があったほうが、水の侵入を防いで屋根をより長持ちさせることができる。
・せっかくなので、この際、経験を積んでおく。
軒先水切り金物は、写真【右】のものを取り付けます。
水切り金物の加工には、「藤原産業 SK11 万能はさみAD カーブ SAD-200C」。切断目安がトタン・ブリキ板で0.5mmなので、お手頃価格で問題なく使えました!
固定には「ステンレス スクリュー釘 32mm」を使用。
【スクリュー釘とは】
スクリューは英語でネジのこと。釘の胴の部分にネジのように溝が切られている釘です。使い方は通常の釘と同じで、上からハンマーで叩いて打ち込んで使用します。ねじれながら打ち込まれるため、木材との固定力がより強い。
スクリュー釘は、垂木の間隔に合わせて打っています。
水切り金物を連結部は、40mm程度重ねています。
軒先水切り金物の取り付けビフォーアフター。
アスファルトルーフィングを張る
屋根下地の野地板の上に、下葺き材(屋根防水)としてアスファルトルーフィングを敷きます。
ルーフィングは下から上へ重ねて張り上げていきます。
【ルーフィングとは】
屋根材の下に張る防水シートのこと。1次防水は屋根材、2次防水はルーフィング。
アスファルトルーフィングは、ホームセンターでロール単位で販売されているものを購入しました。
「1ロール 21m×1m 厚さ1mm/23kg(JIS A 6005 適合品)」
1ロール23kgと非常に重たいので、屋根に上げる前に敷く寸法にカット(分割)して事前準備しておきます。
屋根まで重量物を荷揚げする運搬作業はバランスを崩したりして最悪転落してしまう危険を伴いますなので、分割して軽くしたものを運搬するようにしましょう!
寸法に合わせて丸ノコ定規など当てがってカットします。
屋根幅4,550mm+(端60mm×2)=4,670≒4,700mm/枚
4,700mm/枚を4枚敷きます。1ロール分(21m)で十分足りる長さでした!!
ルーフィングは軒先側の下から上へ重ねて張り上げていき、タッカーで留めていきます。
縦の重ねしろ(1枚目と2枚目、2枚目と3枚目・・・)は100mm以上とります。
もし横方向に継ぐ場合は、雨水が侵入しやすいため200mm以上の重ね代を確保しましょう。
棟・けらば側に、はみ出たルーフィングは軽く折ってオンデュリンで覆う計画です。
覆うことで少しでも屋根をカバーします。
アスファルトルーフィングは強く折り曲げると表面が割れてしまうので、取り扱いには注意しましょう。
支持材(桟木)の取り付け
ルーフィングを張った上に、屋根材を支持するための桟木(さんぎ)を取り付けます。
桟木の取り付け間隔は屋根勾配によってかわるので下記『オンデュリン・クラシックシート屋根材の取り付け方法』などで確認しましょう。
・小屋の屋根『2寸勾配・約11°・屋根傾斜/1:5』⇒支持材(桟木)の間隔:450mm
ここでなんと大失態が!!
施工時には全く気が付きませんでしたが、桟木につかう材木の選定ミスで防水シートであるアスファルトルーフィングに無数の穴を開けていたんです。
時すでに遅し!気づいたときは屋根が完成した後でした。
結果として2次防水の効果はあまり期待できない状態ですが、反面教師として見ていただけると幸いです。
桟木の材木に『胴縁 高さ16mm』を使ったことで、屋根材(オンデュリン)を留めるビスが桟木を貫通してルーフィングを突き抜ける状態となってしまいました。
「桟木を留めたビスの数」+「オンデュリン材を留めたビスの数」の分だけルーフィングに穴が開いた・・・ということです。
当時は材料費を安くできる安易な考えが優先されてしまったんでしょうね。
オンデュリン材のクラシックシートを使用する場合は、長さ75mmぐらいのビスを使うことになるので、桟木には高さ35mm以上の材木を選定することをおすすめします。
そうすればルーフィングに開く穴が桟木を留めるビスの穴だけで済みますよ!
悪い例になりますが、胴縁を使った桟木の施工例です。
桟木は450mm間隔で9列取り付けます。
棟側には、オンデュリン棟カバーを留めるための桟木を1列プラスします。
桟木は合計10列です。
棟カバーを留めるための桟木の位置は、棟カバーを仮置きして実寸で決めています。
オンデュリン・クラシックシート屋根材の取付・施工方法
オンデュリンなどの準備資材
・クラシックシート12枚(2,000×950)
・棟カバー10枚(棟側:5.5枚、ケラバ北側4.5枚)(485×1,000)
・ケミカル面戸ライトルーフパッキン12ヶ(W850×D25×H45)
・安全キャップ3袋(100個入)
・ステンレスコーススレッド75mm(半ネジ・ラッパ型)
屋根勾配・支持材の間隔・シート重ね代
小屋の屋根は『2寸勾配・約11°・屋根傾斜/1:5』です。オンデュリン施工ガイドに記載してある『屋根勾配10°~15°』の施工仕様で行います。
【屋根勾配10°~15°】
・支持材(桟木)の間隔:450mm
・シート端(短辺)の重ね部分200mm以上
・シート両端(長辺)の重ね部分1山以上
オンデュリン・クラシックシート張り方
【オンデュリン材・クラシックシートのレイアウト】
(1)通常、風が吹く方向の反対側の端からシートを張りだします。(1⇒2⇒3⇒4・・・)
(2)2段目の最初のシートは縦方向に2分割して張り、シートの重ね部分をずらすようにします。(7⇒8⇒9⇒10・・・)
(3)軒先での最大突出長さ7cm
(4)シート両端重ね2~3山
(5)シート端重ね(短辺)20cm
オンデュリンを簡単にカットする方法・ポイント
結論:熱したノコ刃で切る
オンデュリン材は屋根のサイズに合わせて加工したり、2段目の最初のシートは縦方向に2分割する必要があります。
【準備するもの】
・カセットコンロ、バーナー、ガスストーブなど
・ノコギリ(汚れるので中古品など)
※ノコギリの刃は縦引き刃のような粗い刃の方がカットしやすかった
・保護手袋
刃に付いた汚れが落ちにくいため、丸ノコなどの電動工具や新しいノコギリなどは、使用をおすすめしません。
【オンデュリン材 カット加工するコツ】
(1)ノコギリの刃を熱して、冷めないうちにノコ刃を入れて引く
(2)ノコ刃が冷えると、すぐ切れ味が悪くなるので(1)を繰り返す
この時は11月だったかな!
ノコ刃には、写真のようにオンデュリン材が付着するので、取り除いてから刃を熱しましょう。
※保護手袋を着用して、火傷に注意しましょう!
オンデュリン材そのものが独特な臭いがしますが、溶けた臭いは臭いです!
※施工後は独特の臭気は感じません。そもそも屋根材なので、よっぽど近づかない限り気になる臭いは感じないってことですね。
ノコ刃を1回熱して20センチぐらいカットします。
2メートルのオンデュリン材クラシックシートも10回ぐらいで楽にカットできました!!
オンデュリン・クラシックシートを張る
オンデュリン・クラシックシートを屋根に上げて、仮並べして位置関係を確認します。
これ、素人施工の僕の教訓ですが『必ず実寸確認』しましょう。
頭でわかっていても慣れない作業で間違えることが多々ありましたんで。僕がどんくさいだけかもですがね!
上の仮並べの写真、さっそくスタートする1枚目が間違ってます。正解は写真奥側(風下側)から並べるので、やり直しました。
オンデュリン材の上で移動したり作業するときは、必ず道板を敷きましょう。
複数枚の道板を敷いておくと、屋根上の移動や作業がスムーズにできますよ!
僕は体重62kg、道板の上を歩いて移動できました。
※オンデュリン材は柔軟性があるので桟木の間隔や体重によっては道板を敷いても破損する可能性があります。破損注意!!
軒先側の突出しは、最大突出長さ7cmと同じ寸法としました。
その位置に水糸を張ります。
ビスをつけた合板の端材に水糸を張ります。合板はクランプで固定。
軒先側の桟木とオンデュリン材の間にルーフパッキンを入れます。
ルーフパッキンを入れることによって、塵や小動物などの屋根裏への侵入を防止できます。
あらかじめ両面テープを貼っておくと、仮止めできるので位置がズレにくく作業が捗りますよ。
※両面テープを貼る位置(向き)が、軒先側と棟カバー側は違います。
ルーフパッキンを軒先側の桟木とオンデュリン材の波に位置を合わせます。
オンデュリン材の固定には原則メーカー推奨の『専用クギ』を使いましょう。
でも、色々調べてみるとコーススレッドでも代用できたので、そちらを紹介します。
・ステンレスコーススレッド75mm、半ネジ、ラッパ型
・安全キャップ
※コーススレッドの使用は雨漏りする可能性がありますので自己責任で施工してください。メーカー施工ガイドでは「必ずオンデュリンの専用クギを使用してください」と書かれています。
安全キャップをつけたコーススレッド75mmを屋根の両サイドに打ち、一直線にコーススレッドを打てるように水糸を引きます。
安全キャップの向きは、オンデュリンシートの波と平行(写真位置)となるように調整してからコーススレッドを打ち込みます。
場合によってはコーススレッドの打ち込み調整がでる可能性もあるので、キャップを閉めるのは終盤でも良いと思います。
軒側と重ねあわせ部分、縦方向のジョイント部は波ごとに打ち、他の部分は適度な間隔で打ちました。
破風板(屋根側面)への固定は、オンデュリンシートを折り曲げて留めます。
写真の向こう側は、シートの位置を合わせているので落り曲げてうまく留めれましたが、写真の手前側はシートの波の底部が破風板の角に当たる位置となり、無理に曲げると割れてしまいそうだったので断念。
余分な部分をカットして棟カバーの取り付けに変更しました。
棟側よりも先に屋根側面のカバーを取り付けます。
屋根側面用の棟カバーをそのままのサイズで取り付けると破風板をすっぽりと覆ってしまうので、デザイン的にあえて破風板が見える寸法に短くカットしました。
取り付け順序は、軒先側から棟側に向けて取り付けます。
棟側の棟カバーとクラシックシートの間にルーフパッキンを挟んで留めます。
棟カバーもオンデュリンシートと同様に風下側から順に端を重ねて取り付けます。
棟カバーのコーススレッドを打ち込む位置にルーフパッキンをしっかり合わせましょう。
棟カバーを折り曲げて留めて、ようやく片流れ屋根が完成しました!!
使用した材料、工具類
使用した材料
・水切り金物(軒先)
・ステンレス スクリュー釘 32mm
・アスファルトルーフィング 1ロール 21m×1m 厚さ1mm/23kg(JIS A 6005 適合品)
・桟木 胴縁 40×16×3640 10本
【以下、オンデュリン材関連】
・クラシックシート12枚(2,000×950)
・棟カバー10枚(棟側:5.5枚、ケラバ北側4.5枚)(485×1,000)
・ケミカル面戸ライトルーフパッキン12ヶ(W850×D25×H45)
・安全キャップ3袋(100個入)
・ステンレスコーススレッド75mm(半ネジ・ラッパ型)
・水糸
使用した工具類
・長谷川工業 脚部伸縮式はしご兼用脚立
・ハンディ墨つぼ Jr.Plus 自動巻
・藤原産業 SK11 万能はさみ
・ドライバドリル
・インパクトドライバ
・タッカー
・クランピングスクエアズ
・F型クランプ
・スプリングクランプ
片流れ屋根:工程その3「屋根下地野地板・アスファルトルーフィング・オンデュリン材(屋根材)」の取り付け、いかがだったでしょうか。
長かった屋根工程もようやく終わりました。
オンデュリン材を簡単にカットするポイント(方法)や取り付け方など、いろいろと失敗を重ねながらも良い経験を積むことができましたね。
まあ、なんと言っても「想いがカタチになっていく」と、満足度が一気に上がります!!
完成まで、まだまだ道のりは長いですが、楽しんで小屋づくり続けていきます。
次回は、外壁下地:「土台に水切り金物を取り付け」てから、壁パネルの合板の上(外側)に「タイベック・透湿透湿防水シートを張り、胴縁を取り付ける」工程です。
本当は、「窓や扉などの建具を取り付け」⇒「外壁下地の施工」⇒「外壁材取り付け」の順に作業したかったのですが、「窓・扉」を自作することにしたので、壁パネルの雨養生も兼ねて先行で外壁下地「透湿防水シート」を張ることにしたのです。
※基本的に素人施工なので技術的に保障されるものではありません。参考とされる場合、くれぐれも自己責任で施工して楽しんで下さい。