小屋づくりもアウトドアの遊びと同じで、施工時期は春・秋がベストシーズンなんだろうなと思いはじめているところです。
夏の猛暑日は熱中症に注意!!
前回までにコンクリート束石を使った独立基礎づくりを行い、20箇所の掘削・転圧・据付が終わりました。
今回は、土台づくりです。
いちばんのポイントとなる土台の水平をとるために、束柱の高さとなる束石~水糸までの距離を計測して束柱をつくります。
土台や束柱の木材は、「防腐剤注入木材」は使わずに「桧(ひのき)」を選びました。
理由は、「防腐剤注入木材」の曲り・ねじれがひどかったからです。
複数のホームセンターを見て回りましたが、どこも必要本数を揃えることができない状況でした。詳細は本編で紹介します。
・土台・束柱の構成
・束柱と羽子板束石の固定方法
・束柱 高さ計測
・束柱 木材加工
・土台 木材加工
・木材防腐剤塗布
・土台 組付け
・使用した材料、工具類
完全独学・素人施工の様子をお届けしますので、良い子はマネしないでね!
※基本的に素人施工なので技術的に保障されるものではありません。参考とされる場合、くれぐれも自己責任で施工して楽しんで下さい。
土台・束柱・束石の構成
束石の上に基礎パッキン(20mm)、束柱(150mm±α)、土台(90mm)の順に積み上がります。
土台上端から水糸交点までの高さを計測して、束柱の高さを調節することで、土台上端と水糸を同じレベル=水平にします。
土台・束柱・大引きの材木は、桧(ひのき)90角を使います。(防腐材注入木材を使わなかった理由は後述)
土台の四隅は「相欠き継ぎ」で直角に組みます。
この先の工程で、土台とつなぐ大引きには金物継ぎ手を使う計画です。
大引きとは
床組の重要な部材で、根太を支え、大引きの端は土台に止められています。
一般的には、大引きの上に直行する形で根太が乗り、床合板を張ります。
「防腐剤注入木材」ではなく「桧(ひのき)」を選んだ理由
土台や束柱は、地面から近く腐朽菌やシロアリなどによりより木材が劣化しやすいため、長持ちする耐久性の高い木材の選定が必要です。
当初は「防腐剤注入加工木材」を購入する予定でしたが、「曲り・ねじれ」が大きかったため「桧(ひのき)」を選びました。
4件の大型ホームセンターをまわってみましたが、どこも必要な本数がそろわない状況で
小屋づくり素人である自分の許容以上の曲りをしていたので断念したのです。
少しでも精度高く施工するために「曲り・ねじれ」の少ない木材を選んだ結果でした。
※購入時期がゴールデンウイークが終わった5月中旬ということもあり売れ残りに当たってしまった可能性もありますね。
木材比較 「防腐剤注入加工木材(辺材)」と「ひのき(心材)」
メリット | デメリット | コスト | |
防腐剤注入加工木材 | 高耐久 | 辺材のため曲り・ねじれが大きくなる
どの程度防腐剤が浸透しているか不確か |
90×90×4000
6,000円 |
ひのき | 心材のため曲り・ねじれが少ない
腐朽に強い樹種 |
木材防腐剤を塗布する必要がある | 90×90×4000
5,400円 |
※上記はホームセンターで確認した実状(2022年5月)を記載
【木材の心材・辺材とは】
・心材(赤身)⇒樹心に近い木質部、水分少なく強固で腐りにくい
・辺材(白太)⇒樹皮に近い木質部、水分多く腐りやすい、心材より収縮が大きい
防腐剤注入加工木材はどれも辺材をつかっているために曲り・ねじれが大きくなっていたんです。
また、ひのきと比較してみると「防腐剤注入加工木材」が特段優れているわけではないことが分かります。
円安などの影響で木材価格が高騰していることもあって、国産ひのきの方が安価です。
防腐剤注入加工木材はどの程度防腐剤が浸透しているか分かりません。粗悪品だと表面部しか浸透していなかった話も・・・。
実際使ったとしても、木材防腐剤を1回は塗布するつもりでしたので、その手間もあまり変わりません。(ひのきの場合2度塗り)
雨に濡れても風通しがよく乾燥しやすい環境であれば、ひのきでも十分長持ちしてくれると考えます。
これについては過去に自作したウッドフェンスの支柱(ひのき)で実感しているところです。
束柱の高さ計測・木材加工・防腐剤塗布
束石上端~水糸交点の高さを計測、束柱の高さを算出する
束柱の高さは下記により算出します。
「束柱の高さ」=「束石上端~水糸交点までの計測値」-(土台90+基礎パッキン20)
まず差し金をつかって「束石上端~水糸交点まで」の距離を計測します。
20ヶ所も計測ポイントがあるので、計測値の記入を間違えないように束石の配列に番地を付けました。
実際に切り出した束柱にも「A1」「B1」とわかるように番地と寸法をマジックペンで書き込みます。
束柱の高さは計画150mm±αに対し、最高151mm・最低128mmとなりました。
束柱 ひのき木材加工
木材は、ひのき4m×1本をホームセンターで購入。カットサービスで2m×2本の状態で持ち帰りました。
算出した束柱の寸法にあわせて、けがきます。
シンワの曲尺(差し金)と曲尺用ストッパーの組み合わせで、効率よくけがくことができました!
けがく⇒丸ノコで切断⇒けがく⇒丸ノコで切断を繰り返し、20本の束柱をつくります。
束柱 油性木材防腐材「クレオトップ」を塗布
束柱や土台などに塗る木材防腐剤は、吉田製油所の「クレオトップ」。
木製フェンス、板塀、ウッドデッキ、杭など、屋外の木製品用です。
防腐防虫効果があります。
塗料はさらさらしているので刷毛で塗りやすいです。
木口(年輪が見える面)は、塗料を吸い上げるので入念に塗り込みましょう。
クレオトップを2度塗りして仕上げます。
束柱 仮置きして水平を確認する
それぞれの束石の番地に、束柱を仮置きして水平が取れているか確認します。
土台の(相欠き継ぎ)木材加工、防腐剤塗布
土台に使う木材は、ひのき90角を4m×2本、3m×2本。大引きにも3m×7本使います。
4m2本と3m9本で分けて、2件のホームセンターをはしごしてレンタルトラックで運搬しました。
なぜ同じホームセンターでまとめて購入しなかったのか!?
ホームセンターによって価格差が結構あるんですよね!
3m9本でなんと7,000円弱もの差が!!
ホームセンター数件の木材・資材などの価格を一度チェックしておこう!!
土台 ひのき相欠き継ぎ加工
相欠き継ぎの加工は、互い違いとなるようにの切り欠きます。
切り欠き部分をけがいたら、丸ノコの刃を45mm出るように調整して刻みます。
丸ノコで刻んだ箇所を折り、面をノミで仕上げます。
土台 仮組み
四隅の束柱を立てて、相欠き継ぎ加工した土台4本を直角に仮組みして確認します。
※仮組みする前に、作業しやすいように土台まわりの水糸4本を残して、それ以外の水糸5本を取り外しました。
水糸から土台までの距離は、基礎パッキンの厚み分(20mm)さがった状態です。
相欠き継ぎの土台上面がフラットになってない箇所は、サンドペーパーで磨いて微調整しておきます。
正確な長方形ができているか対角線を計測してみると
正確な距離4,550mmに対し、実寸4,555mm、+5mmという結果でした。
直角が若干ズレてますが、本組みして固定するときに直角スケール(クランピングスクエアズ)を使えば調整できるだろうと判断して先へ進みます。
土台 油性木材防腐材「クレオトップ」を塗布
束柱と同様に油性木材防腐剤「クレオトップ」を2度塗りします。
土台・束柱 固定方法、組付け
束石・束柱の固定方法
「束石と束柱」 ⇒ 「束柱と土台」 の順に解説します。
【束石と束柱の固定方法】
一般的には束石の羽子板の穴に「ビス4本 + 六角コーチスクリュー1本」の計5本で固定します。
六角コーチスクリューとは、ボルトのような木ねじのこと。
しかし、この小屋づくりでは問題点があります。
【問題点】
(1)支持力の低下⇒基礎パッキンを入れるため下部2ヶ所はビスで留めることができない、3ヶ所のみでの固定となる
(2)軸力の低下⇒六角コーチスクリューを締める(締めすぎる)と束柱が割れる恐れあり
六角コーチスクリューを増し締めすると割れたり、木材の経年劣化により後々割れてしまうこともあるようです。
そこで問題点を解消するためにボルト締めで固定することに決定!
「ステンレス六角ボルト締め1本」 + 「羽子板の穴にビス2本」
ボルト締めで羽子板と束柱を挟み込むことで、支持力も保ちつつ束柱が割れるリスクは軽減されると考えます。
【束柱と土台の固定方法】
相欠き継ぎには、「タルキックⅡ 135mm」2本と「スリムビルトコーナー」補強金物で留めます。
「スリムビルトコーナー」の取付位置は、図のように相欠き継ぎで切り欠きしていない側に取り付けします。
湿気防止??地面にビニルシートを敷く
小屋づくりで屋根が掛かるまでの間、地面からの湿気防止をするために農園用ビニルシートを敷くことにしました。
小屋の床面積2,730×3,640に対し、ビニルシート2,700×3,900と丁度よいサイズがたまたまあったのもひとつの要因です。
※シートを敷いた後、取り外しておいた水糸5本を張ります。
束柱に基礎パッキン取付・固定ボルト下穴開け
基礎パッキン取付位置は、基礎パッキンより束柱90角がひと廻り小さいため、束柱の中心ではなく、束柱が束石羽子板と接面する側に寄せて取り付けます。
そのため基礎パッキンをねじ1本で固定することになります。
ねじ1本の固定だと、締付力が弱い(均等に力がかからない)ため、基礎パッキン凸部の分、束柱との間にすき間ができます。
ねじ4本での固定であれば、締付力で基礎パッキンを束柱にすき間なく密着させることができますが・・・。
というわけで、基礎パッキンの凸部を束柱に押し当てて、凹み跡をつけてプラスドライバーの先端などで突いて凹部をつくり、すき間なく密着するようにします。
これでねじ1本でもすき間なく固定できます。
束柱に通す固定ボルト穴は、現場合わせで穴の位置をマークしてから開けます。
固定ボルト穴と合わせて、ねじの下穴も一緒に開けておきます。
束石の羽子板が中心からズレていたり斜めに取り付けられているものがあるため注意しましょう。
これで組付け前の準備完了です。
土台と束柱を組付ける
クランピングスクエアとクランプで土台の直角を出して寸法を合わせます。
基礎パッキンを取り付けた束柱と土台を配置。
土台の上面と水糸のレベルが同じになってますね!
水糸に合わせて土台芯の位置を調整して合わせます。
対角線の距離を測って4,550mmであれば直角が出ていることになります。
2mmのズレを微調整して土台外周3,640×2,730の長方形となりました!
束柱には固定ボルトを通して仮止めした状態で、相欠き継ぎをタルキック2本で固定します。
いきなりタルキックを打つと継ぎ手部分や束柱が割れる恐れがあるため、ねじ径5.5mmに対し下穴(3mm)を開けます。
タルキックのねじ頭は四角穴形状のため、インパクトドライバにスクエアビット(SQ-№3)を装着してねじ込みます。
【スクエアビットとは】
・ネジ頭が四角穴形状のネジに使用するインパクトドライバ用のビット。
・スクエアビットはテーパ角が少なくトルクの伝達力に優れている。
・プラスビットと比べればカムアウトも少なく、先端が折れにくい。
・長いコーススレッドや高い締結力を持つインパクトドライバーでの使用に適している。
タルキックは束柱の繊維に対し斜めに打ち込んて、しっかりホールドさせます。
まずタルキック1本を打って、ズレが出ていないか再確認してから残り1本打ちます。
土台相欠き継ぎをタルキック2本で固定してから、さらに固定金具「スリムビルトコーナー」で束柱と土台の固定を補強します。
同様に残りの土台束柱を固定して、「土台の完成」です。
※束柱と束石の固定六角ボルト(SUS M10×110)は、大引き取付後に増し締めします。
土台・束柱 使用した材料・工具類
使用した材料
・桧(ひのき) 90×90×4,000mm 2本
・桧(ひのき) 90×90×3,000mm 7本
・基礎パッキン(EP-100S) 100×120×20mm 20個
・油性木材防腐材「クレオトップ 2.5L」 1缶
・タルキックⅡ(TK5X135Ⅱ) 8本
・スリムビルトコーナー(カナイSB-CP) 14個
・SUS六角ボルト M10×110、ワッシャ2枚、ばね座金、ナット 16セット
・ビニルシート
すべて大型ホームセンターで購入可能ですが、固定金具などの小物類は必要数量を確保できないことがあります。実際ありました・・・。
せっかく作業する時間があるのに材料が入手できなくて作業できない!!ってことにならないように確実に必要数量を購入できるネット通販をおすすめします。
また、繰り返しになりますが、ホームセンターによって単価が大きく変わるものがありますので、数件価格チェックしておくと節約できるかもしれませんよ!!
使用した道具類
・電動丸ノコ
・F型クランプ
・クランピングスクエアズ(stax tools)
・水準器
・スケール
・インパクトドライバ
・インパクトビット(スターエム) ミドル10.5mm
・インパクトビット(スターエム) ロング3mm
・刷毛(はけ)
・ビニル手袋
土台づくりの様子いかがだったでしょうか。
束柱の高さとなる束石~水糸までの距離を計測して束柱をつくり、土台の水平がとれるようにしました。
次回は、土台に「大引き」を取り付けて、「床断熱」と「根太レス」で床板に24mm厚の合板を取り付けます。
少しずつですが小屋づくりをすすめてます。応援してもらえると励みになります。
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※基本的に素人施工なので技術的に保障されるものではありません。参考とされる場合、くれぐれも自己責任で施工して楽しんで下さい。