アクリル板を入れた小屋の窓を作ります。窓のタイプは「ホイトコ」というメーカーの金具を使った「滑り出し窓(押し出し窓)」を製作する工程をお届けします。
ホイトコ金物には抵抗がかかっており、窓を開けて好きな場所で留めておくこと(固定)ができる優れものです。
サッシを購入して取り付けることも検討しましたが気になるサッシが高価格だったこともあって、それなら窓や扉も自分好みになるように作ってしまおう!となったのです。
・ホイトコ・滑り出し窓の構成
・枠(わく)の製作
・框(かまち)の製作、アクリル板の加工・はめ込み
・滑り出し窓の組立、ホイトコ金物の取付
・滑り出し窓の取付
完全独学・素人施工の様子をお届けしますので、良い子はマネしないでね!
※基本的に素人施工なので技術的に保障されるものではありません。参考とされる場合、くれぐれも自己責任で施工して楽しんで下さい。
アクリル板・ホイトコ滑り出し窓の構成
今回製作する滑り出し窓(押し出し窓)は、ホイトコというステンレス製の金物(ステー)を使用します。
金物には抵抗がかかっており、窓を開けて好きな場所で留めておくこと(固定)ができる優れものです。
窓を開けておくための「つっかえ棒」などが必要ないので、シンプルでカッコイイ窓になります。
ホイトコ・滑り出し窓は、窓(枠と框)を製作してから、壁にはめ込む手順で取り付けます。
ホイトコ・滑り出し窓は、南面1ヶ所と東面3ヶ所の計4ヶ所を製作して取り付けます。
ホイトコ金物の適合サイズは、窓の大きさによって変わります。
購入当時の価格(2022年12月)は14インチの大きさでも2,000円していなかったので、お手頃価格で入手できました。
※楽天市場やYAHOOショッピングが取り扱い多いですよ!
1箱に1セット(左右の金物1組)と取付用ビスが入っています。
説明書も同封されておらず、取り付けのイメージが持てなかったので、ネットで情報を拾いつつ実際に試作してホイトコ金物の収まりや動きを確認しました!
枠(わく)の製作
枠の材料には、杉板24×150×2,000mmを使いました。本当は桧材で作りたかったのですが、ホームセンターで売ってるものが反りが大きく必要数量を集められなくて断念。
下枠の板(戸当たりから外側)は、雨水が溜まらないようにカンナで削り、外側へ流れ落ちるようにしています。
組み立てには、耐水性の木工用ボンド「タイトボンド」と「ステンレスコーススレッド75mm」を使っています。ボンドが乾燥するまでクランプで固定します。
窓枠の幅(奥行)150mmに対し、外壁側へ40mm出して取り付けます。
壁パネル(合板12mm+間柱89mm=101mm)をまたぐように取り付けるイメージ。
外壁(杉板下見板張り)を張ると、ちょうど40mm出た枠の面(つら)に合う設計です。
キシラデコール・ピニーを2度塗りして塗装します。
枠の塗装は、屋外側だけ塗装しました。小屋内側を無塗装とした理由は、まだ内装をどうするか決めてなかったからです。
念のため、塗装後に枠と框の収まりに問題ないか確認しました。
枠の塗装後に戸当たりを取り付けます。戸当たり材料には、胴縁16×40mmを使いました。
戸当たりをマスキングテープで養生してから、戸当たりや枠の目地や継ぎ目に「シールプライマー」を塗ってから「変成シリコーンシーラント」を打ち、乾燥後にペンキで塗装します。
【変成シリコーンシーラントとは】
変成シリコーンを主成分とした湿気硬化型の成分形弾性シーリング材です。シリコン樹脂は入っておらず、ウレタン樹脂が原料です。耐候性に優れており、上から塗料を塗ることもできるという特徴がある。建築物などに多く用いられています。
「変成シリコーンシーラント」は施工後にペイントできるので目地を目立たなくすることができます。
框(かまち)の製作、アクリル板の加工・はめ込み
框(かまち)の材料には、桧45mmの角材を使用しました。
框の寸法は、枠のチリをどれだけ取るかで変わってくるので、しっかり確認しときたいところです!!
また、ホイトコ金物を取り付けるための切り欠き寸法もチリの大きさによって変化します。
【散り(ちり)とは】
枠の散り(ちり)とは、平面(壁面)と平面(枠面)の間に差のあること、または差のある部分のことです。
チリの寸法を決めてから、框の切り欠き寸法を決めます。この写真に記載している寸法は実際に施工した寸法ですが、厳密な寸法を出したい場合は現物品(ホイトコ)を測定して確認してから施工してください。
切り欠きは、丸ノコとノミなどを使ってできないことはないですが、トリマーがあるといいですね!
また、このタイミングでアクリル板をはめ込むための溝(幅4mm×深さ7mm)を彫っておきます。
窓にはアクリル板「アクリEX001(3mm厚)」を使いました。
ホームセンターで1,830×915mmの大きなサイズを購入。
あと、お店によって価格差があるから数店舗チェックすることをオススメします!
アクリル板のカットは、丸ノコを使ってキレイに切れました。
【丸ノコでアクリル板をカットするポイント】
・一気に1回でカットせず、丸ノコの刃を細かく調整しながら2~3回かけてカットします。真っすぐカットするために丸ノコ定規は必須アイテムですね。
・保護メガネ等の保護具を着用しましょう!
アクリル板のカット寸法は、框の内寸プラス「1辺5mm」としました。4辺あるので、それぞれプラス5mmです。
アクリル溝の深さが7mmとしているので、ここでも結構余裕(ゆとり)をもたせています。
框をコの字に組んでから、カットしておいたアクリル板を溝にはめ込みます。
残りの框を取り付けます。框の組付けには、耐水性木工用ボンドとステンレスコーススレッド90mmを使用して、ボンドが固まるまでクランプで固定します。
アクリルと框の溝のすき間(両面)に充填剤を入れて乾燥すれば、框の完成です。
滑り出し窓の組立、ホイトコ金物の取付
ホイトコを全部の皿穴が見えるように開きます。
切り欠きの隅とアームの端をぴったりと付け、アームの下部はB寸法けがき線に合わせる。(赤破線に合わせる)
框にホイトコを左右同じように取り付けます。
ここでホイトコがズレてしまうと窓の開閉が上手くできなくなる可能性がありますので、取付けビスの下穴を開けます。
ここで役立つのがスターMの商品【センター一発】です!!
金具の取付け穴の中心に1発で穴あけができます。インパクトドライバのビットに片手で簡単に脱着できるので、使い勝手も抜群です。
框にホイトコを左右同じように取り付けたら、枠へ取り付けます。
上枠と戸当たりの角に枠側のプレートの角を合わせます。(赤破線に合わせる)
ここでも【センター一発】が大活躍です。
数か所ビスを取り付けたら、ホイトコの角度を変えて残りのビスを取り付けます。
戸当たりに「気密パッキン」を取り付けます。
気密パッキンは「ニトムズ G0104 V型(対応スキマ2.5~5.5mm)」を使用しました。
※この時点では、まだ取っ手や鍵は取り付けていません。イメージに合う材料が見つからないのが理由です。窓の取っ手は自作することも考えてます。進捗があれば追記します。
滑り出し窓 取っ手の取付
追記:悩んだあげく、窓の取っ手にはこちらを取付けました。
「センター一発」で下穴を開けて、ビス2本で留めます。
滑り出し窓の取付
開口部に先張り防水シート施工
開口部は隙間から雨水が侵入しやすいところです。そのため防水対策を念入りに行います。
(1)開口部の窓台に先張り防水シートをはる
(2)窓台の両角に防水テープをはる
(3)先張り防水シートのまわりに防水テープをはる
※雨水が垂れ流れるように「下部⇒両サイド⇒上部」の順にはり、端部は重ねて張り合わせます
外壁下地の透湿防水シートを張った後、開口部にあわせてシートをカットします
※透湿防水シートの施工の様子はこちら>>>
窓をはめ込み取付、防水処理
製作した「滑り出し窓」を開口部に外壁側へ40mm出して取り付けます。
窓の固定は、小屋内側からコーススレッド51mmで数か所固定しました。
窓と開口部のすき間に「シールプライマー」を塗ってから「変成シリコーンシーラント」を充填しました。
めくり上げていた透湿防水シートを戻してから、防水テープを開口部まわりに張ります。
※雨水が垂れ流れるように「下部⇒両サイド⇒上部」の順にはり、端部は重ねて張り合わせます
窓の上に小庇(こひさし)を取り付ける
当初は、窓の小庇(こひさし)を取り付ける計画ではなかったのですが、屋根の庇を少し出しているとはいえ雨に当たるのは間違いない状態です。
窓枠を防水テープで処理していますが、雨水を少しでも窓枠の上部に溜まらないようにしたいので小庇を取り付けることにしました。外壁から垂れてきた雨水が小庇で受けて窓につたわらなければOKです。
材料はストックしてあった「ひのき」の端材を使ってます。幅120mmですが外壁が40mm程度かぶるので、窓枠から80mmぐらいしか出ないですね。
【小庇を設置するメリット】
・漏水対策をすることができる
・夏の日差しを防ぐことができる(浅いので期待していませんが・・・)
・窓のアクセントになり見た目がオシャレになる
こちらは南側の窓です。小庇がついたことで見た目が良くなりました!!
外壁取付後の様子です。窓に塗ったキシラデコール「ピニー」が映えて、小庇もアクセントになり窓まわりの雰囲気がアップしました。お気に入りのアングルですね!
※この時点では、まだ取っ手や鍵は取り付けできていません。イメージに合う材料が見つからないのが理由です。進捗があれば追記します。
とりあえずこれで「ホイトコ・滑り出し窓」の作業完了です。
使用した材料、工具類
使用した材料
・杉板(窓枠)24×150×2,000mm
・桧(窓框)45mm角材
・胴縁(戸当たり)40×16×3,985
・ホイトコ金物 8インチ×1、10インチ×2、14インチ×1
・フランクリン タイトボンド3 450ml 耐水性木工用ボンド
・木部保護塗料キシラデコール「ピニー」
・シールプライマー
・変成シリコーンシーラント
・アクリル板「アクリEX001(3㎜厚)」
・窓用気密パッキンV型7㎜×10㎜×6m
・コーススレッド51mm
・タイベック透湿防水シート
・防水テープ
・取っ手(黒)90mm
使用した工具類
・センター一発 スターM
・L型クランプ 900mm
・トリマー
・タッカー
・長谷川工業 脚部伸縮式はしご兼用脚立
・ドライバドリル
・インパクトドライバ
・充電式丸ノコ
アクリル板を入れた小屋の「滑り出し窓(押し出し窓)」を製作する工程をおとどけしました。
ホイトコ金物には抵抗がかかっており、窓を開けて好きな場所で留めておくこと(固定)ができる優れものです。
窓を開けた状態でも、よほどの横殴りな雨でないかぎり小屋の中へ吹き込んでこないので気に入ってます!!
少し手間はかかりますが、機能以上にカッコいい窓になるので是非チャレンジしてみてくださいね。
次回は、建具「ドア」をツーバイ材をメインにつくります。ドアにハンドルを取り付けるための加工や杉板をはめ込む溝加工など、よい経験を積むことができました。
少しずつ・のんびり小屋づくりをすすめてます。応援してもらえると励みになります。
※基本的に素人施工なので技術的に保障されるものではありません。参考とされる場合、くれぐれも自己責任で施工して楽しんで下さい。