ツーバイ工法の壁「枠組み」(わくぐみ)の工程をお届けします。
設計→材料拾い出し→材料購入→材料運搬→各パーツの材料加工→枠組み→枠組み設置施工→パネル(合板)取り付け
材料加工では、実際には屋根下の材(垂木、転び留め等)もまとめて加工しています。が、
わかりやすくするために「壁・屋根」を分割して各セクションごとにまとめて記事にします。
・材木寸法の拾い出し~購入~運搬
・壁パネル:材木加工
・壁パネル:枠組み・まぐさ
・壁パネル:枠組み設置施工
・壁パネル:合板張り付け
・使用した材料、工具類
完全独学・素人施工の様子をお届けしますので、良い子はマネしないでね!
※基本的に素人施工なので技術的に保障されるものではありません。参考とされる場合、くれぐれも自己責任で施工して楽しんで下さい。
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材木寸法の拾い出し~購入~運搬
ツーバイフォー工法(2×4工法)は木造枠組壁工法と言い、枠状に組まれた材木に構造用合板を張り付けた壁や床(面材)で支える「枠組み」構造です。
基本的な設計寸法は、455ピッチで考え、倍数で標準的な建築資材910×1,820サイズに合うようにします。
そうすると間柱(スタッド)の位置が決まり、壁の下地材などの固定がしやすくなります。
設計図から材木寸法を拾い出し、エクセルなどの表にまとめましょう!
なるべく一度の仕入れでまとめて購入することで、時間と運搬の手間を減らします。
端材寸法を書き出しておくとムダな材料を出さずにすみます。
後々、材木加工時には、寸法と必要数量の確認ができるチェックシートにもなります。
結構な数あるよね!!
ホームセンターでまとめ買いします。
資材置き場の広さや作業工程を考えながら、レンタルトラックなど利用して運搬します。
材木と合わせて、屋根材なども購入が決まっていて保管できるものは買いました。
※この購入時期【2022年春頃】は販売価格が月単位で値上がりしていましたので、早目にまとめて購入して実家に資材を仮置きさせてもらいました。
壁パネル・材木加工
枠組み・各パーツ
木材数量表に記した寸法にあわせて、ツーバイ材をカットしていきます。
「丸ノコ」+「丸ノコ定規」をつかって黙々と作業しましたが、カットする量が量だけに(^^;「スライド丸ノコ」がさすがに欲しくなりましたね!
この材木カット作業では、作業台や馬(ウマ)を準備しておくと楽な姿勢で作業でき、足腰の負担軽減できるので非常に助かりましたよ!
(準備中)【合わせて読みたい : 馬の製作】
南面と北面の壁には、屋根の勾配にあわせて傾斜部を作ります。
この小屋の屋根勾配は2寸勾配としていますので、丸ノコの刃の角度を約11度にあわせて、間柱の上端部をカットします。
角度の計算はこちらのサイトが便利です。
2寸勾配なので、底辺a:10、高さb:2を入力して計算すると角度Θが求められます。
丸ノコでカットするときは、南北2面の寸法が同じ間柱ごとに2本まとめてカット。
そうすることで南北同じ位置の間柱が同じ角度になるので、傾斜が大きくズレることがなくなります。
壁パネル:枠組み・まぐさ
まぐさの製作
【まぐさとは】
まぐさは、出入り口や窓等の開口部の上部に水平に設ける部材で、その上部の壁を支えるもの。(例:上図の赤部分)
「まぐさ」を組みます。
合板12mmを幅89mmでカットしたものを2×4材(38mm+38mm)でサンドイッチします。
厚み合計88mm。
これで2×4材の横幅89mmに合うかたちとなります。1mmは誤差ということで!
木工用ボンドを合板の両面に塗布して、2×4材で挟みます。
クランプで固定。
コーススレッド75mmを両側から数か所打ち込み固定しました。
壁パネル 枠組み
本来、枠組みの後にパネル(合板)を取り付けてから壁パネルを立ち上げます。
その方が壁枠自体にグラつきがなく直角もしっかりとれている状態で作業できるのですが・・・。
「枠組み+パネル(合板)」の壁パネルをひとりで持ち上げる自信がなかったので、先に枠組みを建て上げてからパネル(合板)を取り付けることにしました。
枠組みは東西南北の壁に分けた4つではなく、ひとりで枠組みを持ち運べるサイズまで小さく分割して組みます。
計画では7分割でしたが、結果的に8分割となりました。
③東面上部パネルが重すぎて持ち上げることが困難とわかり、2つに分割。
枠組みする作業場所は、床組みしたフラットな面で行います。
タープを張って日陰をつくったよ!
■枠組みする順番
「小さい枠」→「大きな枠」の順に組みます。
小さな枠は移動させるのに苦労しません、組んでは移動させて、常にフラットな床面で作業できる状態にしておきます。
その日の作業が終わると大きな枠から順に重ねてシート養生(ブルーシートを掛ける)しますので、大きな枠をなるべく動かさないように「小さな枠」から順に組みました。
同時に以下のことをあらかじめ決めて作業を進めました。
・壁組みする(枠組みを建ち上げる)順番
・壁組み時の仮置き場所の確保
(1)南面・北面の傾斜部パネル
南面・北面の上部(傾斜部)の枠組みを行います。
木材加工で準備した間柱を並べて、コーススレッドで留めていきます。
コーススレッドの長さ選びなどは下記の記事を参考にしてみて下さい。
間柱をビスで留めるときは、しっかり直角をとるために「クランピングスクエアズ+クランプ」などで固定した状態で行うと、概ね寸法通りに枠組みできます。
クランプで固定することで2×4材のねじれ・反りを補正することもできるので、手間がかかりますが、一か所ごとにクランプ固定をおすすめします。
・間柱の組む位置が分かるように芯-芯でけがく
・間柱をビスで留める際は、「クランピングスクエアズとクランプ」でがっちり固定する(材のねじれ・反りを補正)
木口にビス打ちするときは、割れを防止するために斜め打ちするんですが、傾斜部は間隔がつかめず、何度かビスが突き抜けてました!
南面・北面の傾斜部パネルの枠組み完成です。
細かい失敗はありましたが、まずますの出来ではないでしょうか!
(2)東面の上部パネル
次に東面の上部枠組みを行います。
東面と西面は、両端の間柱が2×4材3本分の厚みをとっています。
その理由を下記の図で説明します。
理由 : 内壁材の留めしろを確保するため
説明図のとおり、南面と東面の壁パネル(枠組み)を直角に接合すると、「2×4材2本分」だと内壁材をビス固定するための留めしろ(下地)がないため、下地材を入れる必要がでてきます。
実際の内壁材の留めしろの様子です。
間柱を3本の厚みを取ることで、四隅に下地材を入れなくても内壁をビス固定することができます。
ここには窓を2か所つけるので、先に組んでおいた「まぐさ」を使っています。
まぐさを支える「まぐさ受け」も取り付けます。
このパネル組んだ後、起こしてみると、
このパネルをひとりで上段に持ち上げるのは無理だとわかり、即座に分割することを決めました。
分割できる位置(赤破線)を決め、切断する前に間柱(水色)を1本入れます。
後々に接合させる面になるので、クランプで固定した状態で間柱を留めます。
ノコギリでカットして分割、これでひとりで持ち上げれる重さになりました!
(3)南面・北面の下部パネル
この工程から大きなサイズの枠組みです。
南面・北面の下部のパネルには、窓と扉を取り付けるので、まぐさを入れて組んできます。
扉のまぐさ受けは、枠組みを設置取り付けした後に枠の一部(扉の下部になる部分)をカットして取り付けるため、この段階ではありません。
(4)東面下部・西面のパネル
ここまでくると、パネルも大きいので完成したものは横に立てかける ⇒ 作業場所の確保 ⇒ 作業が終わったら床面に寝かせて重ねる、を繰り返します。
いちばんの大物の西面パネルの枠組みが完成し、すべての枠組みができました。
壁パネル:枠組み 設置施工
工程(取り付けの順番)
ひとりで作業可能となる枠組みの設置工程を立てます。
大きな枠(壁パネル)は、ひとりでズルズルと引きずって移動させるため、動線を確保します。
大きな下部パネルから
「①西面⇒②南面下部⇒③東面下部⇒④北面下部」の順に設置したあと
上部パネルの「⑤南面上部⇒⑥東面上部⇒⑦北面上部」を取り付けます。
下部 枠組み設置(西面⇒南面下部⇒東面下部⇒北面下部)
最初に建付けする西面パネル以外は、移動させて準備をします。
ひとりで作業する上で必須アイテムとなるのが、いろいろな治具です。
治具をうまく利用することで、大きなパネルをひとりでコントロールして、適正な場所に建付けすることが可能となります。
治具とは
加工や組み立ての際、部品や工具の作業位置を指示・誘導するために用いる器具の総称。
加工や組立てするときのサポート道具。
大きな西面枠組みパネルを床面の端にピッタリ合わせるために、ストッパーを2ヶ所取り付けました。
また、西面・東面のパネルは、床面(3,640)より各マイナス12mm(3,616)となっているため、12mm合板の端材をスペーサーとして仮止めして床面の長さ(3,640)と合わせておくことで、壁パネルと床面の建付け位置を確認しやすくしました。
西面を立ち上げて、建付け位置を合わせてクランプで仮固定します。
治具のおかげで、ひとりでも無理なく進めることができました!!
立ち上げた枠組みの垂直をとった状態で振れ止めを取り付けてから、床面にコーススレッド90mmを打って固定します。
次に2つ目のパネル、南面用の治具を取り付けます。(北面にも使用する)
床面の端より12mmマイナス側で立ち上げるために、ストッパー治具に12mm合板(スペーサー)を付けてます。
パネルは引きずって移動させます。
引きずりやすいように、コロ(転)として角材を適当な間隔で並べて、その上を滑らせました。
南面の枠組み固定は西面同様に、ストッパー取付 ⇒ クランプ仮固定 ⇒ 垂直確認 ⇒ 振れ止め ⇒ ビス固定 の順に行います。
先に固定した西面とも連結させます。
東面下部を取り付けてから、最後に南面下部の枠組みを搬入します。
これで4面の下部パネルが取り付けできました。
上部 枠組み設置(南面上部⇒東面上部⇒北面上部)
南面上部の枠を取り付けます。
手元にクランプを準備しておき、すぐに3箇所を仮固定して転倒防止します。
いちばん気になる傾斜部の接合部分は、きれいに高さが合いました!
続けて分割した東面上部を取り付け。
クランプでしっかり仮固定しながら、コーススレッドを打って固定していきます。
北面上部の枠をはめ込んで固定します。
最後に分割した東面上段に頭つなぎ(2×4材1本)をして、壁枠組みの完成です。
ひとりで枠組みを持ち上げて作業するために、壁パネルに合板を張り付けない(後付けする)手順にしましたが、結果的にこれが最適解でしたね。
合板を張り付けた壁パネルの場合、重量もさることながら、風の影響も受けることになるため、ひとり作業ではかなりキツイ(危険な場合も)状況になったのではと感じました。
ようやく立体的に見えるカタチになってきたので、うれしいです。
雨対策 養生(ブルーシート)
せっかく建てた壁枠組みや床を雨や夜露から守るために、ブルーシートで覆って養生をします。
・垂木を3本かけてビスで仮固定
・垂木端部や壁枠の角の凸部に緩衝材(厚手タオルなど)を取り付け
・ブルーシートを掛ける
ブルーシートは#3000・サイズ3.6m×5.4mをホームセンターで購入して使いました。
屋根から西面まですっぽりと覆うことができ、風よけも兼ねるのでサイズは大きめが良いです。
購入したブルーシートには「屋外使用目安約2年」(紫外線劣化防止剤配合)との記載がありましたが、半年ぐらいの表面がボロボロになり雨水が染みてくる部分がありました。
恐らく原因は、ブルーシートの裏面を上にして使っていた時期があったので(ので、紫外線で劣化したんじゃないかなとの憶測です。(紫外線劣化防止は表面のみ?)
屋根ができるまでは、なんとかこのブルーシートでしのぐことができたので結果オーライだったんですがね!
扉 まぐさ受け取付
北面の枠組みの扉開口部に「まぐさ受け」を取り付けます。
まず、扉開口部の下部枠を切断(写真:赤点線)して取り外します。
まぐさ受け(2×4材)を2本入れて、コーススレッドで固定します。
これで扉開口部の出来上がり!
壁パネル:合板張り付け
壁パネルの合板は、12mm厚の構造用合板1820×910を20枚使用します。
屋根下地用10枚と合わせて30枚をまとめ買いしました。
南面の下段から順にコーススレッド51㎜で貼り付けていきます。
コーススレッドの長さ選びなどは下記の記事を参考にしてみて下さい。
ブルーシート養生の関係で、南⇒北⇒東⇒最後に西面に順に合板を張り付けます。
合板のカット作業は、窓や扉の開口部、傾斜部、西面上部の垂木がバードマウス加工で掛かる箇所(後述)がありますが、
カット作業が必要ないところは、そのままのサイズの合板(1820×910)を張り付けていきます。
コーススレッドを打ち込む位置(間柱の位置)も決まっているため、非常にスムーズに作業を進められました。
下段の合板張り付け完了です。
合板が付いたことで、風よけもできて、小屋の雰囲気をちょっと感じれます。
壁上段は、傾斜などに合わせて合板をカットします。
西面の上部はバードマウス加工した垂木が掛かるので、その箇所を切り欠きします。
【バードマウス加工とは】
木造住宅で垂木に入れる欠き込みをバードマウス加工(バーズマウス)という。
「鳥のくちばし」から由来している。
垂木の傾き(屋根勾配)を壁の上枠などの水平材と密着させて接合するためにバードマウス加工を行う。
同じサイズの合板2枚を重ねて、クランプで固定して切り欠き加工します。
これで上段の合板の張り付けが完了です。
枠だけの状態だと、グラグラ揺れましたが、合板を張り付けると強固になり、まったくグラつきが無くなりました!!
いゃ~、うれしいっすね!!
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使用した材料、工具類
使用した材料
・2×4材(材木パーツ数量表による)
・構造用合板 1,820×910×12 1枚(まぐさ用)
・構造用合板 1,820×910×12 20枚(壁パネル用)
・コーススレッド(90mm、75mm、51mm)
・ブルーシート#3000 3.6m×5.4m
使用した工具類
・丸ノコ
・丸ノコガイド定規
・インパクトドライバ
・クランピングスクエアズ
・F型クランプ
・シンワ曲尺 厚手広巾ストッパー付 15㎝
・シンワ曲尺 厚手広巾 50㎝
・シンワ 水準器
壁パネル・枠組みの様子いかがだったでしょうか。
ひとり作業では、自分の体力によってパーツ重量の把握や施工する順番・搬入ルートの確保など、よく考える必要があります。
また治具を上手に使うことで、効率よくひとり作業できますよ!!
実は8月上旬から10月下旬までの約3ヶ月間、小屋づくりをストップしていました。
いちばんの理由は夏の天候不順!!
安定した晴天が期待できるまで、焦らずのんびり待機してたのです。
秋に入り天気に恵まれてた中で作業を進めることができていますので結果オーライ!!
壁が立ち上がったことで小屋の全景がなんとなく見えてきたので、ご近所さんからも注目されますね!
次回は、片流れ屋根:屋根下パーツづくりをします。
垂木・けらば垂木・面戸板・ころび止め・破風板・鼻隠し
屋根は何かと工程が多くて時間かかりますね!!
少しずつですがのんびり小屋づくりをすすめてます。
応援してもらえると励みになります。
※基本的に素人施工なので技術的に保障されるものではありません。参考とされる場合、くれぐれも自己責任で施工して楽しんで下さい。